だれかへ
今日も暑いですが、 いかがお過ごしですか。 今日のわたしはちょっと気分がいい。 というのもわたしは仕事中、ほとんどの時間をひとりぼっちで過ごします。 人との関わりを避けたがる若者が多い昨今、 わたしの仕事について説明すると、 羨望のまなざしを向けられることも多いほどです。
けれど本当にずっとひとりぼっちでいると、 それはそれで自分の内面としかお喋りができないということですから、 自分の悪い面、 醜い面、 不出来な面というのを、 他人に囲まれた人より自分自身にしっかりはっきり見せつけられてしまうわけです。
もちろん自分とじっくり向き合う時間も、時には必要かもしれません。 でもそんなことを四六時中やるのはちょっとどうかと思いますし、 生理中とか、 六月のこんな不安定な天気の日とかも、 できれば遠慮しておきたいところです。
人間というのは少しばかり嫌な人が近くにいて、 あいつムカつくよな、 などとその少しばかり嫌な人よりはまだましな人とおしゃべりをする、 そうやって他所に目を向けていられるときのほうが健全なのかもしれないと時折思います。
ところでわたしの気分が良かったのは、 今日は会社の健康診断だったからです。 なんと何人もの人と会釈をしたり、 二言三言事務的なやりとりを交わしたり、 他人の指示通りに動いたりといった営みをおよそ一年ぶりに行ったわけですから、 ちょっとうれしかったのです。
というのも自分の内面ばかり見つめていると、 どうしても自意識過剰になってくるのが自分でもわかります。 他人からのフィードバックがなく、 自己反省ばかり強いられているような心持ちだからです。 他人と比較ができないから自分の立ち位置がわからないし、 そうするとどちらに進んだら良いのかもよくわからなくなってきます。
そういうわけで今日、 いくらかの生身の人間たちとやり取りをした結果、 わたしはわたしで他のひととなんら変わりのない、 特別なところなどひとつもない単なる一個体でしかない、 という事実を他人の目からきちんと体験し、 身体で味わってきたのはほんとうによかったと思います。
ひとは、 ひとりでは生きてはいけません。 それは抽象的な概念や綺麗事ではないということを、 わたしほど身をもって知っている人間はいないでしょう。
それでは、 今日はここまで。
おやすみなさい。
わたしより


